【3月10-12日】被災地支援活動(七尾市/輪島市)

今回は、2月に実施の復興支援活動案件の継続支援、震災被害の大きかった奥能登(輪島市)への支援物資輸送、それから被災者の方とのヒアリングを介して個人や産業の復興に向けた今後必要な支援方法も含めて検討を実施。4月以降の復興支援活動にもつなげる。

3月10日(七尾市)
 ・被災地域の清掃サポート、復興後の活用方法検討等
 ・被災者とのヒアリングにより、必要な支援活動検討、実施
 
✓3月11日(七尾市→輪島市)
 ・支援物資の輸送
   七尾 矢田郷      物資受取
   輪島避難所 門前中学  物資受渡
 ・被災者とのヒアリングにより、必要な支援活動検討、実施

✓3月12日(七尾市)
 ・被災地の視察、支援検討 等

3月10日(七尾市)
・先月(2/11)に視察した被災住居である古民家「飯田家」に関して、前回検討を行った活用方法案「ボランティアの宿泊所兼産業復興のインキュベーションセンター」に関して、検討継続のため今回も視察訪問。古民家の母屋内を視察するとともに、復興支援が進むように、直近、復興ボランティアの方が施設活用できる様に、母屋につながる別邸(増築部分)の清掃支援を実施。今回の訪問に合わせて、事前に手配した七尾の建築家にも来て頂き建物を診断頂く。結果、瓦屋根の修復程度で活用できそうなことを確認。被災住宅 古民家「飯田家」の具体的な活用方法を家主と共に継続検討進める。

・被災状況の把握、そして被災者のニーズ確認のために、地域経済の要とも言える和倉温泉を視察し現在の状況を確認し、我々の得意を生かした支援活動を検討実施。

防災ボランティア車両_高速道路交通証明書
清掃活動_古民家_飯田家
和倉温泉_震災状況

3月11日(七尾市→輪島市)
・2月支援時と同様に、震災被害の大きい奥能登への支援物資搬送実施。七尾市「矢田郷(やたごう)地区コミュニティセンター」で支援物資を分けて頂き準備した自動車に積み込む。それを、輪島市の避難所のひとつである門前中学校に輸送。運び込まれた物資は門前中学校体育館内に収納実施。
体育館の外には大型テントも張られ、その中にも物資が収納されてた状況。なお、門前中学校に隣接する総合運動公園内には仮設住宅の建設が始まっていた。

・被災地域での被災者と会い、創造的復興のビジョン作りについて意見を交わす。会話の場所としては、震災で自宅(兼店舗)が被害に合い2月訪問時に事業再建の相談を行った店舗を活用。わずかばかりの経済支援も兼ねる。

矢田郷CSにて支援物資を積載
輪島市門前中学校に到着
支援物資の積み下ろし

3月12日(七尾市)
・七尾市周辺を視察し、また震災関係者と近況交換をおこなう。機運醸成に伴い、関わり方の検討が必要と認識。
 ・山の寺群のキリシタンに縁のある「本行寺」視察
 ・七尾市の政治経済のブリーフィングを受けてから七尾駅前にある市役所分庁舎
  「パトリア」と「Mina.kuru」を視察
 ・七尾湾に面した四つの造船所を巡る

七尾湾に面した造船所、船舶視察

参加メンバー所感
前回支援に入った2月中頃から1か月が経過。道路の復旧が進み、まだらながらも水道の復旧が進んでいる。仮設住宅も建設中。避難所で避難生活をしている人数も減少しているものの、発災から2ヶ月半経った今も非常食中心で避難生活を送っている人たちが少なくない。

地域経済の要とも言える和倉温泉街の40ほどのホテル・旅館・民宿は、外壁がひび割れていて営業しているホテルは全く見当たらない。道路の亀裂や地盤沈下がそこら中に発生したりと、街全体を見渡せば歩いているのは我々だけという驚くべきショッキングな状況に遭遇。
観光地としての機能だけでなく、地元の食材を仕入れ消費するというマーケット機能としての影響も大きく、周りの漁業関係者、農業関係者への経済連鎖インパクトは深刻なものと想像。従業員は仕事がない。温泉ホテルの営業に必要な食材、リネン材その他を納入する事業者側も休業せざるを得ない。和倉温泉の復興なくして能登の復興はないと痛感。和倉温泉の復興ビジョンに思いを馳せるとともに、危機的状況を眼前に見た者だからこそ、何らかの関わりがもてるのであればと心に強く刻まれる訪問となった。

能登には多くのお寺がある。訪問した總持寺や本行寺は大きな被害を受けている。門前の店舗も打撃を受けている。復旧には大きな費用と長い年月が必要になると思われる。

そのような現状の中、前を向き希望を持って動き出している人たちや事業家がいる。確たる長期計画が立たない中、あちこちから復興の萌芽が見受けられることは心強し希望がある。
この状況を、林業でいう「萌芽更新(ぼうがこうしん)」に例えるなら、災害という伐採で残った切り株から、不屈の休眠芽が芽生えてきている。一つだけでなく同時多発的にたくさんの切り株から芽が萌えだし伸びてくる。少し時間はかかるが幹になり木が生長し森林(自然生態系)を形成するように、同じ業界や近隣住民が力を合わせて、関連業界やコミュニティの復興(社会生態系)をもたらしてくるに違いない。
そのために、自助を基本に公助以外に共助としてのボランティア活動が必要になる。フェーズごとのニーズに対してタイムリーに支援できるかがポイントになる。そして継続的で長い支援になりそうだ。

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